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©Nam



 「写真における"リアリティー"というのは画面の何処に潜むのだろう?」


 "Fall Room"という横長の作品について、「この作品は合成ですか?」とよく聞かれます。現在のデジタル合成技術は飛躍的に進歩しています。そして画面内で何でも合成出来うる事が、観る側も作る側にも前提の "暗黙の了解" が既に存在しているような気がします。それが出来るからから使うという訳です。これは合成作業が良いとか悪いという意味ではありません。


 以前制作した"Fall Room" という作品では実際に写っている通りのポジションのセットを現場に組みました。しかし、全ての瞬間を一発で捉える事は、様々な動きが交錯しているだけに難しく、結局パーツ撮りをして組み合わせ、テグスで釣った装置の痕跡を消すことによって完成させました。これはデジタルの合成技術が無かったら完成はしなかっと思います。ですが、現場のセットを見ているだけに「作り替えた現実を、出来るならそれを合成でなく状況のまま捉えたい...」という想いもまた残ったのも事実でした。


 今回の作品はそんな前作品で抱えたままの "画面のリアリティー" に対してのリベンジのような気持ちから制作にとりかかりました。


 制作は、モデルを今回で3回目の登場となる琉花ちゃん(étrenne)と決めるところからスタートしました。まず彼女を起点にして、「どういう部屋にいるんだろう?」等とキャラクター設定をしながら作品イメージを練りあげていきました。日常的な佇まいがあるというのが決め手で、撮影場所はいつもお世話になっているPIPELINE studioさんの十里木スタジオのキッチンのある部屋に決めました。皆で持ち寄った身近にあるものをだけを使って、一見、非日常だけど現実空間で実際に起こりえる風景を作ることを目指しました。


 実に10時間以上、ボランティアスタッフも参加しての総勢6名でテグスが張りめぐらされたセットの建て込みをして、ようやく撮影にこぎつけた訳ですが、完全一発の合成無しで仕上がった画面には、それらの労力は全て滲んでいました。


 そして、その風景はそのままの形で、僕らの目の前に現実としてあり続けました。


 WEBサイトのリニューアルが完成いたしました。


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